2021.08.01マウスピース矯正後戻り矯正歯科矯正部分矯正
IPRとは?マウスピース矯正の治療方法について

マウスピース矯正ではIPRという歯を削る処置が必要になることがあります。
IPRの目的や方法、歯への影響について解説します。
この記事の目次
1. IPR(ディスキング)とは?
IPRはInterproximal Enamel Reductionの略で、歯と歯の間を少し削ることによってスキマを作る処置です。
具体的には歯の表面のエナメル質という部分を0.1~0.5mmほど削ります。
歯科用語で「ディスキング」ということもありますが同意義です。
2.0.1mmはどのくらい?
0.1mm、0.2mmと言われてもわかりにくいですよね。
一般的なコピー用紙は0.09mm程度、一万円札が0.1mm程度と言われています。
官製はがきは0.22mmだそうです。
当院ではIPR量の説明をする際には「この歯はコピー用紙約◯枚分のやすりがけが必要です」とお伝えしています。
参考:紙の厚さについて(紙通販ダイケン様のHPに飛びます)
3.なぜIPR(ディスキング)が必要?
歯のガタガタは顎に十分なスペースがなく歯同士が重なりあっていることによって起こります。
IPRで歯の表面をほんの少し削ることで歯の形を小さくすることでスペースをつくり、歯をきれいなアーチ状に並べることができます。
もちろん歯をまっすぐ削ることはなく、矯正後の歯並びをイメージしながら不自然にならないような形態に整えます。
4.IPR(ディスキング)の方法と切削量
IPRで歯を削るといっても、むし歯治療のように大きく削ることはありません。
0.1~0.3mmのすき間を作る場合、ストリップスを使って歯の表面をやすりがけ程度に切削します。


0.4~0.5mmの場合、細いバーを使うこともあります。

0.3mm以下のIPR量であれば、見た目ではほとんどスペースは分からない程度です。
こちらの写真の方左上の側切歯と犬歯の間を0.3mmIPRしました。
コピー用紙・一万円札が3枚程度です。

5.IPR(ディスキング)は危険?
IPRで歯の表面を削ることに抵抗感のある方は多くいらっしゃいますが、
基本的にIPRによって痛みや知覚過敏が起こることはありません。
歯質は表面のエナメル質と内側の象牙質にわかれます。
象牙質には内部の神経と交通する管(象牙細管)があるため、むし歯などによってエナメル質が溶かされて象牙質が露出すると歯に痛みが生じます。
健康な歯は象牙質が硬いエナメル質でおおわれることによって痛みを感じません。
エナメル質は前歯では1~1.2mmの厚みがあります。
IPRは歯と歯の間を多くて0.6mm削ることがありますが、1歯あたり削る量はどんなに多くて0.3mm程度です。
多めにIPRをしてもエナメル質は2/3以上残り、歯の健康を保つことは十分に可能です。
もちろん必要以上にIPRを行うことはありませんので、ご安心くださいね。
6.IPR(ディスキング)後のケア
基本的に適切なIPRで歯が弱くなったりむし歯になりやすくなることはありません。
しかし、もともと知覚過敏がある人やむし歯になりやすい人は多少リスクがあがる可能性があります。
IPRで知覚過敏やむし歯が心配な方はフッ素を高濃度に含む歯磨き粉を使用しましょう。
またIPRをした歯が動いたあとにはフロスをしっかり行いましょう!

7.IPR(ディスキング)についての心配は主治医に相談
IPRで歯を削るのが心配な方は十分に主治医の先生にしっかり相談して、心配を解消してから治療をはじめることが大切です。
どうしてもIPRをしたくない場合はマウスピース矯正以外の方法(ワイヤー矯正など)を検討することも考慮しましょう。
当院では十分なカウンセリングを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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ぜひこの機会にご予約ください。