2023.03.08ボトックス歯科矯正
エラボトックスのメリット・デメリット4選!副作用・リスク・注意点も解説

歯科治療におけるエラボトックス*は、エラの部分に位置する咬筋に注射して、歯ぎしり・食いしばりを緩和する治療方法です。それにより、歯のすり減りや歯ぐきが下がるなど、さまざまなお口のトラブルを回避できます。
しかし、エラボトックスに限らずどんな治療でもメリット・デメリットはあるものです。本記事では、エラボトックスのメリット・デメリットと副作用やリスクについて詳しく紹介します。

これからエラボトックスを検討している方はもちろん、すでに施術を受けた方もぜひ参考にしてください。
*エラボトックスとは エラボトックスとは、「ボツリヌストキシン製剤」を用いたエラへのボツリヌストキシン注射治療のことです。一般的に知られている「ボトックス」は、米国アラガン社のボツリヌストキシン製剤の製品名になります。ばなな矯正歯科恵比寿では、ボトックスに韓国KFDAの認可を受けたニューロノックスを使用しています。 ※2023年3月30日よりボツリヌストキシン注射の薬剤をニューロノックスからボツラックスに変更しました。ボツラックスは韓国のヒューゲル社が製造販売しており、アラガン社のボトックスのジェネリックに該当するボツリヌストキシン製品です。ニューロノックス同様、韓国のKFDA(食品医薬品安全庁)から医薬承認を受けています。 |
この記事の目次
エラボトックス(ボツリヌストキシン注射治療)とは?

エラボトックスとは、噛むときに力が入る咬筋に「ボツリヌストキシン」というたんぱく質の一種を注入して、筋肉の働きを弱める治療方法です。咬筋の緊張をやわらげることで歯ぎしりや食いしばりが解消されて、歯の摩耗・破折、顎関節症といったトラブルを軽減することができます。また、エラ張りが解消されることから、小顔効果も期待できます。
以下の記事ではエラボトックスの効果を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
>>>エラボトックスは歯ぎしりに効果あるって本当?メリット・デメリットを紹介
エラボトックスの4つのメリット

エラボトックスは歯ぎしり・食いしばり、エラ張りが気になる方にとって人気のある治療方法です。ここでは、エラボトックスのメリットについて紹介します。
施術時間が短い
エラボトックスの施術時間は15~30分程度と短く、入院の必要もありません。治療に時間を取られることがないため、仕事や家事・育児で忙しい方にもおすすめです。
ダウンタイムが少ない
エラボトックスはダウンタイムが少ないのもメリットです。副作用として注射した箇所の内出血が起こる可能性がありますが、顔が大きく腫れたり長期間痛みが続いたりすることはほとんどありません。施術当日は針を刺した箇所以外はメイクすることも可能です。

エラボトックスのダウンタイムは少ないとはいえ、どんな症状が出るのでしょうか?

エラボトックスのダウンタイムでは、以下の症状が出ることがあります。
痛み 内出血 赤み 腫れ 熱感 頭痛 筋肉の違和感 噛みづらさ
これらの症状はほとんどの場合、数日でおさまります。腫れや痛みが気になる方は休日前にエラボトックスを受けると良いでしょう。
肌を傷つける心配がない
エラボトックスは注射のみの切らない施術方法で、肌に痕が残るような傷はつきません。ただし、施術後1週間程度は、肌を強くこするよう洗顔やクレンジング、マッサージは控えましょう。
痛みが少ない
施術時は針を刺したときにチクッと痛みを感じる程度です。また、痛みを抑えるために注入箇所を氷で冷やしたり、クリーム状の麻酔を塗布したりすることもあります。痛みが不安な方は、あらかじめ担当の歯科医師に相談しておくと適切に対応してくれるので、安心して施術が受けられます。
エラボトックスの4つのデメリット

エラボトックスは施術時間が短く、ダウンタイムが少ないことから手軽に行えるメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
効果が現れるまで時間がかかる
エラボトックスは注射後すぐに歯ぎしり・食いしばりが改善される施術ではありません。効果の現れ方には個人差がありますが、施術後3~4日後に少しずつ症状が緩和されはじめ、2週間程度で安定します。
効果は永久的ではない
エラボトックスは1回打ったら永久的に効果が持続するものではなく、3~6ヶ月程度で元に戻ります。そのため、効果を持続させるには繰り返し行う必要があります。
頬がこけるあるいはたるみが目立つ
エラボトックスにより咬筋が小さくなると、頬骨が目立って頬がこけて見える方もいます。また、年配の方や皮膚が薄い方が受けるとまれに頬の皮膚が余り、たるんで見えてしまう方もいます。エラボトックスで失敗や後悔しないためにも、適量を注入することが大切です。
一時的に固いものが噛みづらくなる
咬筋を使用しなくなることで、施術後は一時的に固いものが噛みづらくなることがあります。また、他の筋肉を使用して噛むようになるため、食べにくいと感じることもあります。慣れてしまえば普段通りに食事ができるので、過度な心配はいりません。
エラボトックスの副作用とリスク

エラボトックスは副作用やリスクが少ないと言われていますが、注射器で薬剤を注入するため、内出血や腫れなどの症状が起こることがあります。ここでは、エラボトックスで起こり得る副作用とリスクについて紹介します。
内出血や腫れが生じる可能性がある
エラボトックスは針を刺すため、注射部位に内出血や腫れが生じる可能性があります。ほとんどの場合、1週間程度で症状がおさまります。また、細い針を使用するので傷跡が残る心配はありません。
頭痛が起こる
エラボトックスは咬筋に注射して筋肉の動きを抑えます。そのため、噛むときに使う筋肉のバランスが変わるため、頭痛を引き起こしてしまう可能性があります。数日程度でおさまりますが、まれに倦怠感やめまいといった症状も起こることがあります。
顎が疲れやすくなる
エラボトックスは咬筋に働きかけ、噛む力を緩めます。そのため、術後1週間程度は顎が疲れやすくなったり違和感を覚えたりすることがあります。

エラボトックスで副作用やリスクを回避するには、次のチャプターで紹介する注意事項を守り、信頼できる歯科医師のもとで受けることが大切です。
エラボトックス注射後の注意点

エラボトックスを注射した後は、いつも通りに過ごしていいの?

施術後は注意点がいくつかあります。思わぬトラブルを起こさないためにも必ず守りましょう。
術後のマッサージは避ける
エラボトックス後はマッサージ、こするような洗顔やクレンジングは避ける必要があります。なぜなら、患部を刺激することで薬剤が周囲に広がってしまい、効果が軽減する可能性があるからです。施術から3日程度はマッサージを控えるようにしましょう。
血行を促進する行為は避ける
エラボトックスは、ボツリヌストキシンというたんぱく質の一種を注射する施術方法です。たんぱく質は熱によって変性する性質があります。そのため、施術当日から1週間程度は、以下のような血行を良くして身体を温める行為は避けましょう。
- アルコールの摂取
- 長時間の入浴・サウナ・岩盤浴
- 激しい運動
施術当日は、アルコールの摂取は避けましょう。アルコールによって血行が促進されると内出血や腫れが生じる原因となります。また、当日の入浴も同様なので、シャワーを浴びる程度にしておくと安心です。激しい運動は血行が促進され、体温が上昇します。施術後1週間程度は控えましょう。
注射後は固い食べ物を避ける
エラボトックス後は固い食べ物を避けるのが望ましいです。なぜなら、噛みすぎると咬筋を鍛えているようなものだからです。ただし、あまり神経質になることはありません。普段通りの食事を楽しむようにしましょう。
男女問わず3ヶ月の避妊が必要
エラボトックスは、精子や卵子にどのように影響するのか確認されていません。そのため、男女問わず施術後3ヶ月経過するまでは避妊する必要があります。
エラボトックスの施術の流れ

エラボトックスの施術は、一般的に以下の流れで行います。
- STEP1・カウンセリング
- まずはカウンセリングにて食いしばりや噛み合わせの悩みをヒアリングします。筋肉量や骨の状態、お口の中を確認したうえで、エラボトックスを行う必要があるのか判断します。
- STEP2・マーキング・施術
- メイクオフをした状態で注射する部位にマーキングを行い、歯科医師が適切な位置に注入します。施術自体は10~15分程度で終了します。
ばなな矯正歯科恵比寿では「ニューロノックス」を使用しており、基本的に両側合わせて40単位を注入します
- STEP3・クーリング
- 施術後は注射した部位を冷やし、異常がないか確認したら施術完了です。注射部位を避けてメイクし帰宅することも可能です。
患部の状態で何か気になることがあれば、ご連絡ください。 その後、継続的に3ヶ月~6ヶ月に1回の注入をおすすめします。 |
エラボトックスに関するよくある質問
エラボトックスに関するよくある質問について紹介します。
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失敗例は?
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エラボトックスは咬筋の状態によって注入量が決まります。その判断を誤ると、皮膚のたるみやデコボコが生じるケースが考えられます。このような場合は、効果が切れるまで待つしかありません。失敗を避けるためには、カウンセリングでメリットやデメリット、副作用やリスクについて理解し、知識・経験のある歯科医師のもとで施術を受ける必要があります。また、施術後は安定するまで刺激しないことが大切です。
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やめたらどうなる?
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施術後3~6カ月程度でエラボトックスによって抑えられていた咬筋の働きが戻るので、再び歯ぎしり・食いしばりが生じる可能性があります。効果を持続させるには再度打つ必要があります。継続することによって咬筋をほとんど使わずに噛むようになるので、戻りにくくなります。
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いつまで打ち続ける?
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エラボトックスは2~3ヶ月ごとに継続し、咬筋を使わずに噛むようになったらインターバルを伸ばして継続します。打ち続けて咬筋の働きが戻りにくくなったら治療終了です。治療後は定期的に様子を見ていきます。
ばなな矯正歯科恵比寿では、無駄なく効果を維持できるように歯科医師がしっかり診断し、適切な量を注入します。
まとめ
エラボトックスは、短時間の施術で歯ぎしり・食いしばり、エラ張りの解消が期待できる治療方法です。メリット・デメリット、副作用やリスクなどはありますが、しっかり理解しておけば手軽に行える有効な治療方法と言えるでしょう。
ばなな矯正歯科クリニックでは、2022年12月より、エラボトックス(ボツリヌストキシン注射治療)を開始しました。患者さまの筋肉量、骨やお口の中の状態など正確な診断を行なったうえで、ボツリヌストキシン注射治療を提供しています。咬筋の働きを緩めることで食いしばりや歯ぎしりの緩和が期待できます。
以下の方に当てはまる方は、ボツリヌストキシン注射治療がおすすめです。
- 歯ぎしり食いしばりがある方
- エラ張りが気になる方
- ナイトガードが使えない方
- 奥歯の被せ物がよく取れたり割れたりする方
ボツリヌストキシン注射治療をご希望の方は、ばなな矯正歯科恵比寿までお気軽にご相談ください。