2023.02.01小児矯正歯科矯正
子どもに矯正治療は必要なの?矯正歯科医師の見解

現在の矯正治療の目標の1つに『混合歯列期(乳歯と永久歯がお口の中に存在している時期:6歳頃~11歳ごろまでの時期)の咬合の健全な育成』が挙げられます。
つまり、乳歯から永久歯へとはえかわる時期に、しっかりと噛み合わせることができるようにすることが非常に重要です。
しかし、今日、お子さまのお口の中をみると「80%近くの子どもたちが噛み合わせにトラブルをかかえている」との報告があります。
白い歯だけれど歯並びはガタガタ…というのでは、健全な口腔内環境をつくりあげることはできません。
お子さまの歯並びが気になって悩んでいる方に是非参考にしていただければと思います。
この記事の目次
子どもの矯正治療の目的

昨今では、予防歯科の概念が浸透し、子どものむし歯の数は減ってきています。そして、お口の中の健康に対する保護者の意識が高まるにつれ、お子さまの矯正治療に関心を寄せるケースも増えています。子どもの矯正治療にはどのような目的があり、メリットがあるのでしょうか?
予防的治療
混合歯列期に矯正治療を行い、成人になった時に良好な噛み合わせの状態を獲得するための予防的治療です。また、仮に継続して成人の矯正治療を行うことになったとしても、小さいころから矯正治療を行っていたことにより、歯を抜かずに治療ができたり、治療中の負担が少なくなったりすることが期待できます。
審美性(しんびせい)の向上
学校生活を楽しく笑顔で送ってほしい、というのはすべての保護者が願うことだと思います。しかし、ガタガタな歯並びがお子さまのコンプレックスにつながってしまうことも。そのため、小学生の頃からなるべくきれいな歯並びで生活出来るよう、矯正治療でサポートをしていきます。
顎顔面領域の正常な発育
歯が顎顔面(がく・がんめん)領域の発育に与える影響はとても大きいです。たとえば、「歯が一本だけ変な方向にはえてきた」「歯が一本だけはえてこない」など、たった一本の歯が原因で顎が曲がって成長してしまったり、顎が十分に成長せずに成長期を終えてしまったりと様々な良くない事が起きてしまうこともあります。
その原因を矯正治療で取り除き、正常な顎顔面領域の発育をサポートしていくことが出来ます。
参考:日本小児歯科学会 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A
子どもの不正咬合

歯並びが悪いことを、専門用語では「不正咬合(ふせいこうごう)」と言います。具体的にどのような不正咬合があるのでしょうか。
過蓋咬合 | 噛み合わせのときに上の歯が下の歯を覆うように深くかみこんでしまう状態 |
開 口 | 口を閉じたとき奥歯以外の歯が噛みあわず、前歯にすき間が出来る状態 |
上顎前突 | 上の歯が下の歯より前に出ている噛み合わせ いわゆる出っ歯 |
下顎前突 | 下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせ いわゆる受け口 |
叢 生 | 歯並びが不規則で前後左右にデコボコしている状態 八重歯・乱ぐい歯のこと |
まず上顎と下顎の上下的な不正咬合として過蓋咬合(かがいこうごう)と開咬(かいこう)があります。
そして上顎と下顎の前後的な不正咬合として上顎前突(じょうがくぜんとつ)と下顎前突(かがくぜんとつ)があります。
また、多くのお子様に認められるのが、スペース不足が原因となって起こる叢生(そうせい)という状態です。
ご紹介した不正咬合の多くは、成長期にある小学生(場合によっては未就学の幼児の時から)から中学生にかけて矯正治療を行うことにより、顎顔面領域の成長発育をコントロールし、改善することが出来ます。
大人の矯正治療

では、これらの不正咬合をそのままにし、大人になってから矯正治療を始めるとどうなるでしょう?
最近では、大人になってから矯正治療を始められる方もたくさんいらっしゃいます。気になっていた歯並びを治すことでむし歯や歯周病のリスクが減るといった健康面でのメリットはもちろん、本人の意思で始めるため、矯正治療に対するモチベーションを維持しやすいのも成人矯正のメリットのひとつです。
しかし、成長が止まってしまった顎の中に、歯をきれいに並べるスペースを獲得するために抜歯が必要になってしまうことも。また、歯並びの状態によっては、歯を移動する量が多く、治療中の負担が多くなってしまうというデメリットもあります。
子どもの矯正治療にもメリットデメリットはありますが、将来のきれいな歯並びは保護者の方からの何よりのプレゼントだと言えるでしょう。
参考:ばなな矯正歯科恵比寿で小児矯正を始める前に知っておきたいポイント
まとめ
今回紹介した不正咬合のほかにも、お子さまのお口の中には様々な問題が存在します。
将来きれいな歯並びになるために、小さいころから矯正治療によって出来る事は数多くあります。まずは一度、矯正治療のご相談にご来院ください。
▷▷▷記事作成者
秋山
ばなな矯正歯科恵比寿
小児矯正担当 歯科医師

こんにちは。小児矯正とワイヤー矯正を担当している矯正歯科医師の秋山です。
小児矯正のポイントは「最適な年齢から治療を開始すること」です。
ご両親の歯並びが整っていない場合や、お子さまの歯並び・噛み合わせで気になることがあればお早めにご相談ください。初回のご相談は無料で承ります。
私にも小さな子どもを持つ母親です。大切なお子さまの治療も安心してお任せください。
診療日:毎月第3日曜日、月1回木曜日