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2022.11.15マウスピース矯正歯科矯正部分矯正

マウスピース矯正で出っ歯になる?原因や失敗を避ける4つのポイント

マウスピース矯正は、痛みが少なく、目立たずに歯並びが整えられることから、近年では人気のある矯正方法です。しかし、

「マウスピース矯正をすると出っ歯になる」

「マウスピース矯正で出っ歯は治せない」

といった情報をインターネットやSNS上で見かけたことがある方もいるでしょう。

そこで今回は、マウスピース矯正で出っ歯は治るのか、出っ歯になると言われている理由、失敗を避けるためのポイントなどについて解説します。

出っ歯とは、前歯が前方に突出した状態のことです。歯並びが悪い状態のことを指す「不正咬合(ふせいこうごう)」の一種で、専門用語では「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と言います。

出っ歯は、ガタガタした歯並びに次いで日本人に多いと言われており、見た目や健康にさまざまな悪影響を与えてしまうことがあります。

>>>厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「不正咬合の種類と実態」

出っ歯の原因

出っ歯の原因は、大きく分けると先天的な原因と後天的な原因の2つです。

先天的な原因は、遺伝によるもので、ご自身と両親の顔が似るように、顎の骨や歯の大きさも遺伝の影響を受けて出っ歯になる可能性があります。

後天的な原因は、幼少期の長期間にわたるおしゃぶりや、爪を噛むなど日頃の癖が挙げられます。

これらの癖によって、上顎の前歯を前方に力を加え続けることになり、結果として歯が前に押し出されて出っ歯になってしまうのです。

また、普段から口で呼吸している方は、唇で歯を押さえる力が弱くなるため、出っ歯になりやすい傾向があります。

出っ歯のリスク

出っ歯を放置すると、以下のようなリスクがあります。

  • 見た目に悪影響を与えるリスク
  • サ行・タ行などの発音がしづらくなるリスク
  • お口の中が乾燥し、虫歯・歯周病のリスクが高まるリスク
  • 転倒した際、前歯を損傷するリスク
  • 身体のバランスが崩れるリスク

出っ歯は見た目や発音が悪くなるだけでなく、健康面での悪影響を与えてしまうことがあります。

たとえば、前歯が邪魔で口が閉じられない場合、お口の中が乾燥し、唾液が分泌されにくくなります。

唾液には自浄作用や抗菌作用(※)があり、お口の中が乾燥することによってこれらの作用が抑えられてしまい、むし歯や歯周病のリスクが高まるのです。

また、出っ歯は前に突出しているため、転倒によって前歯を損傷しやすいリスクも挙げられます。

さらに、出っ歯は噛み合わせが悪いことから身体のバランスが崩れ、肩こりや頭痛などのリスクもあります。

>>>一般財団法人口腔保健協会「唾液の役割」

マウスピース矯正で出っ歯は治せる?

出っ歯と一口に言っても、奥歯の噛み合わせに問題がなく前歯だけが出ている、奥歯の噛み合わせに問題があり前歯も出ている、骨格に問題があり出っ歯になっているなど、さまざまなケースがあります。

また、マウスピース矯正のブランドによって適応範囲は異なります。そのため、マウスピース矯正で治せる場合もあれば、治せない場合もあるのです。

ただ、基本的に歯の生え方によって生じている出っ歯は、マウスピース矯正で治せることが多いです。

しかし、骨格に問題がある重度の出っ歯は、治せない可能性があります。この場合、ワイヤー矯正や顎の骨を削るなどの外科手術が必要になることもあります。

マウスピース矯正は出っ歯になると言われているのはなぜ?

なぜマウスピース矯正では出っ歯になると言われているのでしょうか。

その理由は、以下の3つのことが挙げられます。

1.歴史が浅い

ワイヤー矯正が初めて日本で行われたのが、1950年頃です。歴史と豊富な治療実績があり、確立された治療方法です。

一方、マウスピース矯正が日本に導入されたのは、2006年頃です。

当初は治療方法が確立されておらず、治せる歯並びも限られていました。

しかし現在では、多くの臨床データをもとに改良が重ねられ、出っ歯を含む幅広い症例に対応しています。

2.抜歯をしないことがある

出っ歯を治すには、前に出ている歯を後ろに下げるためのスペースが必要になります。

ワイヤー矯正の場合、小臼歯(前から4番目と5番目の歯)の1本を抜歯してスペースを確保することができますが、マウスピース矯正では抜歯を行わずに、歯と歯の間をヤスリで削って(専門用語でIPR※と言います)スペースを作ることがあります

マウスピース矯正はワイヤー矯正と歯を移動させる方法が異なるため、抜歯をしてしまうとそのスペースを埋められない可能性があります。

そのため、短期間のマウスピース矯正や前歯だけ動かすマウスピース矯正では、抜歯を避けることがあります

診断を誤り、本来は抜歯が必要な歯並びにも関わらず抜歯を行わなかった場合、十分なスペースが確保できず、出っ歯が改善されないなど、トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。

しかし、近年では抜歯を必要とするケースでも、一部のマウスピース矯正で対応が可能になっています。

ばなな矯正歯科恵比寿ではこのようなトラブルを避けるために、抜歯が必要な歯並びの方にはマウスピース矯正ではなく、ワイヤー矯正や裏側矯正をおすすめすることがほとんどです。

>>>IPRとは?マウスピース矯正の治療方法について

3.無理な拡大を行っている

拡大とは、「拡大床(かくだいしょう)」などを使用し、歯列を横に広げて歯を並べるスペースを作る処置のことです。

拡大床はプラスチックのプレート状とワイヤーでできた矯正装置で、真ん中にネジが埋め込まれており、それを少しずつ回すことで歯列を広げていきます。

しかし、無理な拡大を行うと、歯だけが外側に倒れてしまい出っ歯になることがあります

拡大床によって引き起こされる出っ歯も正確な診断で防ぐことができます。

ばなな矯正歯科恵比寿では、マウスピース矯正の治療において拡大床はリスクと判断し、一切使用しておりませんので、ご安心ください。

マウスピース矯正の出っ歯の治し方

マウスピース矯正で出っ歯を治すには、前に出ている歯を後ろに下げるためのスペースが必要です。スペースを作るには、以下の4つの方法があります。

1.IPR

マウスピース矯正でスペースを作る際、よく行われる処置が「IPR」です。「ストリッピング」や「ディスキング」とも呼ばれており、専用のヤスリを使用し、歯と歯の間を0.05mm~0.3mm程度削ります

削る範囲は歯の表面のエナメル質のみで、しみたり痛むことはありません。

2.抜歯

IPRで歯を動かすためのスペースが確保できない場合は、マウスピース矯正であっても抜歯を行うことがあります

ただし、大きく歯を動かす必要がある歯並びはマウスピース矯正では対応できないことがあります。

3.奥歯の後方移動

スペースを作る方法の一つに、奥歯から順に後ろへ移動する方法があります。

後方移動を行うことで、前歯を後ろに下げることができます。

ただし、後方移動は親知らずが存在しないこと、歯を支えてる骨が奥歯の後ろまであることが条件になります。

ばなな矯正歯科恵比寿で取り扱っているマウスピース矯正のうち、クリアコレクト(一部症例に限る)とインビザラインが奥歯の後方移動に対応しています。

4.側方拡大

側方拡大とは、歯列全体を横に広げることです。

マウスピース矯正は、適切な力を加えることで、歯並びを整えながら歯列を横に広げることが可能で、歯を並べるのに不足していたスペースを作り出すことができます。

ただし、側方拡大ができる量は骨の幅に由来するため、骨の幅が狭い方や、骨の外側に歯が生えている方は側方拡大がほとんどできない場合もあります。

マウスピース矯正の出っ歯の失敗を避ける4つのポイント

歯は並んでも突出感が改善されなかった、出っ歯じゃなかったのに出っ歯になってしまったなどトラブルは避けたいもの。ここでは、マウスピース矯正の失敗を避ける4つのポイントを紹介します。

マウスピース矯正の症例数が多い歯科医院を選ぶ

そもそも歯科矯正は専門的な知識が必要な分野です。なおかつマウスピース矯正は経験と技術が求められる治療方法と言えるでで星。

特に出っ歯は、スペースを確保するための処置の判断が重要になります。

そのため、マウスピース矯正の症例数が少ない歯科院で行うと、知識や経験により歯並びが悪化するケースも。

マウスピース矯正の失敗を避けるためにも、マウスピース矯正の症例数が多い歯科医院を選択しましょう。

また、ご自身でも矯正治療について調べ、わからないことがあれば歯科医師とよく相談し、理解を深めることも大切です。

マウスピース矯正の装着時間・交換するタイミングを守る

マウスピースはご自身で取り外しが行えますが、1日20~22時間以上装着する必要があります。

そのため、矯正が終わるまで装置が固定されているワイヤー矯正と違って、自己管理が重要になります。

また、新しいマウスピースに交換する際も、計画通りに行います

ご自身の判断で早めたり遅らせたりすると、計画通りに歯が動かないばかりか、思わぬ方向に歯が動いてしまうことや、歯が元の位置に戻ることもあります。

マウスピース矯正で失敗しないためにもマウスピースの装着時間と交換するタイミングは必ず守りましょう。

お口の中とマウスピースを清潔に保つ

矯正中にむし歯・歯周病になると、治療を優先することがあります。

被せ物が必要になるような大きなむし歯になると、治療計画の立て直しが必要になることも。

マウスピースは取り外しが行えるので、歯間ブラシやフロスなども併用して普段よりも丁寧な歯磨きを心がけましょう

また、マウスピースはお口の中に入れるもののため、外した後は細菌が繁殖しないように洗浄し清潔に保つ必要があります。

リテーナーは必ず使用する

並べたばかりの歯は、歯を支えている骨が安定しておらず、何もしないと歯がもとの位置に戻る「後戻り」を起こしてしまうことがあります

そのため、マウスピース矯正を終えたら「リテーナー」と呼ばれる装置をつけて、並べた歯をしっかり固定する保定期間に移行します。

リテーナーは、指示された装着時間を守る必要があり、矯正後は1日中装着するように求められることが多いです。

自己判断でリテーナーの装着をやめたりサボったりすると後戻りが起きる可能性があるため、必ず使用しましょう。

>>>矯正後の後戻りとは?後戻りの原因や防ぐ方法について詳しく解説!

まとめ

基本的に歯の生え方によって生じている出っ歯は、マウスピース矯正で治せることがあります。

しかし、マウスピース矯正は経験と技術が求められる治療方法です。特に出っ歯は歯の状態を把握し、スペースを確保するためにどのような処置を行うのか適切な判断が重要になります。

そのため、歯科医院を選ぶ際は、実績が豊富で信頼できる矯正医院を選ぶことが望ましいです。

また、マウスピース矯正で失敗を避けるためにも、装着時間と交換のタイミングは必ず守りましょう。

ばなな矯正歯科恵比寿はマウスピース矯正に特化した歯科医院

ばなな矯正歯科恵比寿は、マウスピース矯正による部分矯正や全顎矯正に特化した歯科医院です。

わかりやすく丁寧な説明をこころがけ、症例や予算などに応じて適切な治療方法の提案をしています。

また、仕事や学校で忙しい方でも通院できるように、平日は21時まで、土・日(第三日曜日のワイヤー矯正のみ)・祝も17時まで診療しております。公式ホームページ・メール・電話・LINEからのご予約で初回カウンセリングが無料です。

歯並びの悩み、治療費や期間の不安など、気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

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