2023.10.23小児矯正歯科矯正
子どもの歯並びは矯正した方がいい?必要性や治すべき歯並びについて


永久歯に生え変わるのに、子どものうちに矯正する意味はある?

子どもの歯並び矯正って必要なの?
このような疑問を持つ保護者は多いです。
本記事では、子どもの歯並び矯正の必要性や治すべき歯並びについて解説します。子どもの歯並びが気になりだした保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
子どもの歯科矯正は必要?

3歳児健診や学校の歯科健診などで歯並びや噛み合わせを指摘された場合、「しばらく様子をみよう」と考える保護者は少なくありません。
なぜなら、歯並びと噛み合わせはむし歯のように痛みを伴うことがないため、見た目だけの問題で緊急性は低いと思われがちだからです。
しかし、悪い歯並びと噛み合わせのまま放置してしまうと、適切な治療のタイミングを逃してしまい、見た目やお口の機能などにさまざまな問題を引き起こしてしまう可能性があります。
歯科矯正は大人になってからでも行えますが、子どもの歯科矯正は顎の成長を利用した治療が可能で、大人の矯正よりも治りやすいメリットがあります。
歯並びと噛み合わせを整えることで、見た目だけでなく噛むといった機能も改善します。それにより、将来起こり得るさまざまなリスクを防ぐことができるのです。
子どもの歯科矯正は、お口や身体の健康を守るために必要性の高い歯科治療と言えます。
以下の記事では、歯科医師が子どもの矯正の必要性について見解を述べているので、参考にしてください。
参考:日本小児歯科学会 子どもたちの歯並び・かみ合わせの治療に関するQ&A
悪い歯並びを放置するリスク
歯並びや噛み合わせが悪いと以下のような問題が生じ、お口や身体の健康に大きな影響を与えることがあります。
むし歯や歯周病になりやすい
たとえば、重なり合った歯並びの場合、歯と歯の間に食べかすや歯垢が溜まりやすい状態になりがちです。お口の中で細菌が繁殖しやすい環境になるため、むし歯や歯周病になりやすいリスクがあります
また、歯並びが悪いと歯磨きが十分にできず、むし歯や歯周病を予防するための正しいケアが困難になります。
発音に影響を与える
発音する際、悪い歯並びによって舌や口の中で音が妨げられてしまうと、発音が不明瞭になることがあります。
舌が正しい位置にあたらない、歯と歯の間に隙間があって空気が漏れてしまう、下の歯が上の歯より前方に出て噛み合わせている場合(受け口)は、サ行・タ行・ナ行・ラ行の発音に影響を与えることがあります。
十分な咀嚼ができない
正しい歯並びは噛む力を均等に分散させ、食べ物をしっかり噛むことができます。
しかし、歯並びが悪いと噛む力が弱くなって、十分に咀嚼(そしゃく)ができなくなる可能性があります。そのため、うまく消化ができず胃腸に負担がかかったり、栄養不足につながったりすることがあります。
顎へ負担がかかる
正しい歯並びは、顎の筋肉や関節に負担をかけず、良い噛み合わせを保ちます。しかし、歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなり、顎に負担がかかり問題が生じることがあります。
長期間放置すると、痛みや不快感、口の開閉が困難になる顎関節症を引き起こしてしまうことも。
子どものうちに歯並びを治すメリット


子どもの歯並び矯正は必要なんですね。やっぱり子どものうちに治した方がいいのでしょうか?
子どものうちに歯並びを治すことによって、以下のようなメリットがあります。
歯の健康を維持できる
整った歯並びは、歯ブラシが届きやすくなり、歯磨きやフロスなどの口腔ケアが容易になります。これにより、むし歯や歯周病のリスクが低下し、健康な歯を維持することができます。
口腔機能が改善する
噛み合わせが良い状態は、食べ物を噛むことや発音などの口腔機能の改善につながります。
しっかり噛んで食べられるようになるため、食べ物の味わいを十分に楽しめるようになり、胃腸への負担も軽減します。また、発音が明確になることで、人とのコミュニケーションがスムーズになります。
顔のバランスが整う
歯並びが悪いと、顎の形や顔のバランスにも影響を与えます。
矯正治療によって、歯並びと噛み合わせが改善されると顔の筋肉のバランスが整い、顔全体の印象が良くなることがあります。自分に自信を持って人とコミュニケーションが取れるようになり、自分自身を表現することができるでしょう。
顎の成長を利用できる
子どもの矯正治療は、顎の成長に合わせて治療を進めることができます。
たとえば、上顎が小さい場合、成長を促す装置を使って歯列を広げたり、下顎が成長しすぎている場合は成長を抑える装置を使って正しい噛み合わせに整えたりすることが可能です。
Ⅱ期治療が短期間で済む可能性がある
子どもの歯科矯正は、Ⅰ期治療とⅡ期治療(※)の2段階にわけられます。Ⅰ期治療を行うことでⅡ期治療が必要なくなったり、行ったとしても短期間で済む可能性があります。
※Ⅰ期治療とは、永久歯が生え揃う前に行われる矯正治療です。 顎の成長を利用し、永久歯が正しい位置に生えるように促します。 Ⅱ期治療とは、永久歯が生え揃ってから行われる矯正治療のことです。 Ⅱ期治療では、ブラケットと呼ばれる装置を歯に取り付け、そこにワイヤーを通して、正しい歯並びと噛み合わせになるように歯を1本1本動かしていきます。 |
治したい方がいい歯並びとは?


歯並びが悪い状態のことを不正咬合(ふせいこうごう)と呼び、その種類はさまざまな状態があります。
ここでは、小児矯正が必要な歯並びについて紹介します。
ガタガタの歯並び

ガタガタの歯並びは、専門用語で「叢生(そうせい)」や「乱ぐい歯」と呼ばれている歯並びです。
歯並びがガタガタの場合、磨き残しが多発しやすく、むし歯や歯周病、口臭の原因になることがあります。さらに見た目が悪く、コンプレックスにつながることもあります。
出っ歯

出っ歯とは、「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」とも呼ばれ、前歯が前に出てしまっている歯並びのことです。
見た目が悪く、コンプレックスにつながりやすかったり、口がうまく閉じられないため、お口の中が乾燥しやすくむし歯や歯周病のリスクが高くなったりします。
受け口

受け口とは、専門用語で反対咬合を呼ばれ、下顎が前に出た状態で噛み合わせた歯並びのことです。
受け口があると、口が閉じにくくなり、食べ物を噛む力が弱くなることがあります。また、顎関節症や頭痛の原因になることもあります。受け口は骨格に問題があることが多く、放置すると成長と共にさらに目立ってしまうことも。
また、顎の成長が終わってしまうと改善が難しくなる可能性があるため、なるべく早めに治療をはじめた方が良いでしょう。
ばなな矯正歯科恵比寿では、受け口の治療は手遅れにならないよう3歳ごろから始めることをお勧めしています。 |
交叉咬合

正常な歯並びでは上の歯は下の歯に被さりますが、交叉(こうさ)咬合は歯並びの途中で上の歯が内側に、下の歯が外側に傾いてしまっている状態です。
一部の歯や歯ぐきに大きな負担がかかり、割れたり欠けたりするリスクが高まります。また、成長期に交叉咬合を放置してしまうと顎の発達に影響し、顔のバランスが乱れてしまう可能性があります。
開咬

開咬(かいこう)とは、噛んだときに上下の前歯が離れてしまう歯並びのことです。
食べ物を噛み切ることができなかったり、しゃべる際に空気が漏れて発音が不明瞭になることがあります。また、前歯で噛めないことから奥歯にかかる負担が大きく、顎関節症の原因となってしまうので子どものうちに治療することが大切です。
過蓋咬合

過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上の前歯が下の前歯を完全に覆ってしまう状態のことです。
噛み合わせが深くなることから、歯ぐきを傷つけやすかったり、顎関節症に大きな負担を与えたりすることがあります。また、笑ったときに上の歯ぐきが見えてしまう「ガミースマイル」になりやすい歯並びでもあります。
子どもの歯並びを治すには?


子どもの歯並びを治すには、矯正治療しかないのですか?ほかにもあれば、その方法も知りたいです。
子どもの歯並びを治す方法は、主に以下の2つがあります。
小児矯正
矯正装置を使って顎の骨の成長を促したり、歯並びや噛み合わせを整える治療方法です。先述でも解説した通り、小児矯正はⅠ期治療とⅡ期治療があります。Ⅰ期治療では主に以下のような装置を使って進めていきます。
Ⅰ期治療の主な装置
- 床矯正
- リンガルアーチ
- ヘッドギア など
お口の中の状態によって、適切な装置を用いて正しい位置に歯列を整えていきます。
Ⅱ期治療では、成人矯正と同じ装置を使って歯並びと噛み合わせを整えていきます。使用する装置は主に以下のようなものがあります。
Ⅱ期治療の主な装置
- 表側ワイヤー矯正
- 裏側ワイヤー矯正
- ハーフリンガル矯正
- マウスピース矯正
ライフスタイルやお口の中の状態に応じて選択することができます。
ばなな矯正歯科恵比寿で小児矯正を始める前に知っておきたいポイント
ばなな矯正歯科恵比寿の小児矯正は、途中で装置の種類が変わったり増えても追加料金がかからない「装置料金の総額制」を採用しています。 |
お口のトレーニング
舌で前歯を押す癖や唇を噛む癖、指しゃぶりなど、このような癖があるとお口周りの筋肉が正しく使えず、歯並びや噛み合わせを悪くしてしまう可能性があります。
このような場合、口周りの筋肉を鍛える専門的なトレーニングを行うことがあります。早いうちに開始することで、歯並びと噛み合わせが悪くなるのを未然に防ぐことが可能です。
また、小児矯正と併用することもあります。
子どもの歯並び矯正でよくある質問

ここでは、子どもの歯並び矯正でよくある質問について紹介します。
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小児矯正は痛みを伴いますか?
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矯正装置を初めて装着したときや調整を行ったときに一時的に痛みを覚えることがあります。
装置装着後、数日〜1週間程度は歯が動くために鈍い痛みを感じることがあります。また、歯が動くことによって装置に想定外の力がかかり外れることもありますが、その場合は適切に処置しますのでご連絡ください。
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小児矯正はいつからはじめるべきですか?
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小児矯正は、6歳頃から矯正治療を始めることができます。ただし、受け口で骨格に問題があると思われる場合は、3歳で矯正歯科を受診してください。
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小児矯正にはどのくらいの期間が必要ですか?
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矯正治療には個人差があり、開始時期にもよりますが、一般的に半年〜2年半ほどの期間が必要です。
まとめ
子どもの歯並びを矯正することは、見た目だけでなく、歯の健康や口腔機能にも良い影響を与えます。
子どものお口や身体の健康を維持するためにも、子どもの歯並びの矯正の必要性を理解し、気になったら早めに歯科医師に相談することが大切です。
適切な治療を行って子どもの未来を守りましょう。
ばなな矯正歯科恵比寿の子どもの矯正は、初回の相談は無料です。 子どもの歯並びが気になる方はお気軽にご相談ください。 |