2023.11.06ワイヤー矯正後戻り矯正歯科矯正部分矯正
ワイヤー矯正の効果はいつから?矯正中に実感する歯並びや口の中の変化
ワイヤー矯正は、いつ歯並びに変化が現れる?
ワイヤー矯正は歯並びにもよりますが、歯並び全体を動かす場合、約2~3年で治療が完了します。
矯正治療は基本的に時間がかかるものですが、ワイヤー矯正を始めたばかりの方は、いつ歯が動くのか気になりますよね。また、矯正中は歯が動くだけでなく、口腔内や顔貌も変化するものです。
そこで本記事では、ワイヤー矯正の効果が現れるタイミングや矯正中に実感する変化について解説します。
この記事の目次
ワイヤー矯正の治療期間の目安は2~3年
ワイヤー矯正の治療期間は個人差がありますが、2~3年程度が目安とされています。ただし、歯の状態や動かす範囲によって治療期間が短くて済む場合もあれば、逆に長くかかる場合もあります。
また、歯並びが整い矯正装置を外したら、保定期間に移行します。「保定装置(リテーナー)」と呼ばれる装置を装着し、整えた歯並びを固定して後戻りを防ぎます。
保定期間の目安は、矯正にかかった期間と同じくらい必要(目安は1~3年)です。ただし、歯科医師の判断によって異なります。
ワイヤー矯正は保定期間も含めると治療期間が長くなることもあり、治療を受ける際には長期的な視野が必要です。
歯並びの変化はいつから実感できる?
ワイヤー矯正を始めてから、歯並びの変化を実感するまでには個人差があります。治療開始から3ヵ月程度で変化を実感する方もいれば、半年以上経過してから実感する方もいます。
たとえば、ガタガタの歯並びで抜歯を必要とするケースでは、全体的にある程度並べてから抜歯したスペースを閉じるため、それまでの期間は変化を実感しやすいでしょう。ただし、その後の噛み合わせの調整や微調整など、目で見てわかるような変化は時間がかかる場合があります。
歯並びの変化はゆっくりとしたものであるため、期待する速さで変化が起こらない場合でも焦らずに治療を続けることが大切です。
ワイヤー矯正で歯並びが変化するのはなぜ?
ワイヤー矯正はどのように歯が動くのかご存じですか?歯を動かすには、歯槽骨*と歯根膜**が重要な役割を果たします。
*歯槽骨(しそうこつ):歯を支えている骨のこと。 **歯根膜(しこまく):歯の根っこの周りを覆っている組織のこと。歯根膜は一定の厚さを保つ性質がある。 |
矯正装置を装着することにより、歯に力が加わると歯根膜にもその力が加わります。その結果、歯根膜は力をかけている側が伸び、力をかけられている側は縮みます。歯根膜は一定の厚さを保つ性質があるため、伸縮した歯根膜は元の厚さに戻ろうとします。
そして、歯根膜が縮んだところは歯槽骨が溶けて歯根膜を広げます。一方、伸びた側の歯根膜は元の厚さに縮み、歯槽骨を新たに造ります。このように、歯に力を加えることによって、歯根膜が伸縮して歯槽骨が変化し、歯が動いていくのです。
ワイヤー矯正を早く終わらせるには?
歯に加える力が強ければ歯並びは早く動くの?
歯に加える力は強ければいいものではありません。歯や歯ぐきに取り返しのつかないダメージを与えてしまう可能性があります。
歯に無理な力を加えると、歯ぐきが下がって歯の根っこが露出したり、歯の根っこが短くなったりすることがあります。では、ワイヤー矯正を早く終わらせるためにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは、ご自身でできることを5つ紹介します。
口腔習癖を改善する
舌で前歯を押したり唇を噛んだりなど、お口周りの悪い癖を「口腔習癖(こうくうしゅうへき)」と言います。これがあると矯正装置の効果を妨げたり、思わぬ方向に力が加わったりする可能性があります。
治療期間が延びてしまうほかに、整えた歯並びが後戻りする原因になることも。矯正期間中は、癖が出ないように意識したり、トレーニングを行なって改善しましょう。
規則正しい生活を心がける
矯正治療による歯の動きには個人差がありますが、新陳代謝が活発な方は骨の代謝も活発になるため、比較的早く変化を実感できるでしょう。
そのためにも、食生活や睡眠時間などを見直し、規則正しい生活を心がけることが重要です。
計画通りに通院する
ワイヤー矯正は、定期的な通院による調整や処置は必要不可欠です。月1回程度の通院が必要になることが多いです。
計画通りに通院しないと歯を動かすための必要な処置が行えないため、その分治療期間が延びてしまいます。矯正期間中はやむを得ない場合を除いて、予約キャンセルは避けましょう。
歯科医師の指示に従う
歯科矯正中は、歯科医師と協力して治療を進めていきます。そのため以下のような指示を受けることがあります。
- 定期的な通院を欠かさない
- 硬い食べ物や粘り気のある食べ物を避ける
- 食後の歯磨きを徹底する
- むし歯や歯周病を予防する
- 痛みや違和感がある場合は、すぐに歯科医師に報告する
指示に従うことで治療の効果を最大限に引き出すことができ、安心して治療を受けることができます。ただし、疑問や不安がある場合は、遠慮なく歯科医師に相談することも大切です。
日々のケアや定期メンテナンスを怠らない
ワイヤー矯正は、矯正が終わるまで歯の表面に装置がついたままになります。ブラケット部分は歯ブラシが届きにくく、不十分になるとむし歯や歯周病になるリスクが高くなります。
矯正中にむし歯や歯周病になってしまった場合、矯正治療を中断して治療を優先することも。この場合、矯正期間が延びてしまう可能性があります。
日々の丁寧なケアと定期メンテナンスでクリーニングを受けて、むし歯や歯周病をしっかり予防することが大切です。
ワイヤー矯正が始まってから生じる口腔内の変化
ワイヤー矯正中に感じる変化は、歯並びだけではありません。矯正装置の装着により、歯に痛みが生じたり、喋りにくくなったりと口腔内ではさまざまな変化を感じることがあります。
ここでは、ステップごとに生じる口腔内の変化について解説します。
ワイヤー矯正の最初の変化
ワイヤー矯正は歯の表面に凹凸のある装置をつけるため、口腔内に違和感を覚えることがあります。また、装置が頬や舌にあたると、頬の粘膜に傷がついて口内炎に発展することも。
そのため、最初は食事がしにくくなったり、話しにくくなる方も多いです。個人差はありますが、慣れるまでは1週間~1ヶ月程度かかります。
歯の移動に伴う変化
矯正装置の装着によって歯に力が加わると歯が移動します。それに伴い、歯に痛みや圧迫感を生じることがあります。
痛みの感じ方には個人差がありますが、矯正装置を装着した当日~1週間程度は強い痛みを感じる方も。
この痛みは矯正中ずっと続くものではなく、数日程度かけて徐々に痛みは軽減されます。
痛みが強い場合は、鎮痛剤の服用も有効です。ただし、1週間経過しても痛みがおさまらない場合や、どうしても我慢できない場合は担当の歯科医師に相談しましょう。
ワイヤーの調整に伴う変化
ワイヤー矯正は月1回、ワイヤーを調整することで治療を進めていきます。それに伴い、歯の移動が進んで、新たに痛みや不快感を抱くことがあります。
ワイヤー調整は、1回目よりも2回目、3回目と回数を重ねる度に、痛みが少なくなるという方がほとんどです。ただし、ワイヤーの太さや硬さが変わることで、圧迫感が増したり口腔内の違和感がますます強くなったりすることもあります。
矯正装置の取り外し後
ワイヤー矯正治療が終了すると、ブラケットやワイヤーを取り外します。ワイヤー矯正治療が終了しても、歯の移動が完全に止まるわけではありません。
何もせずに放置すると、歯並びが元に戻ってしまうこともあります。そのため、保定装置(リテーナー)を装着して整えた歯並びを固定します。
保定装置のつけ始めは、慣れるまで違和感を覚えることがあります。
また、装着をサボってしまい久しぶりに装着すると強い圧迫感を覚えることも。歯の位置は、噛み合わせや加齢、頬の圧力などによって常に変化するものです。
保定期間中は保定装置の装着をしっかり行い、保定期間が終了しても定期的な歯科医院でのチェックが必要です。
ワイヤー矯正が始まってから生じる顔貌の変化
ワイヤー矯正で使用するブラケットは、厚みがあるため装着すると口元が突出したように見えることがあります。また、歯並びと噛み合わせが整うことで、頬筋や口輪筋などお口周りの筋肉のバランスが整います。
それにより、顔の歪みが改善され、Eラインができたり、ほうれい線やエラの張りが目立ちにくくなる方も。しかし、ワイヤー矯正を行ったからといってこれらの効果が期待できるとは限りません。
矯正後の顔貌の変化が心配な方は、事前に歯科医師とよく相談しましょう。
>>>Eラインは歯科矯正で変化する?Eライン矯正で失敗するケースも解説!
ワイヤー矯正の変化に関するよくある質問
ここでは、ワイヤー矯正に関するよくある質問について紹介します。
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ワイヤー矯正は1ヶ月に何ミリ動く?
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ワイヤー矯正は1ヶ月に0.5~1mm程度動くと言われています。ただし、歯の移動速度や距離には大きな個人差があります。また、矯正装置の種類やどこの歯を動かすかによって異なります。
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ワイヤー矯正はいつが1番痛い?
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痛みの感じ方には個人差がありますが、ブラケットとワイヤーを装着した初日から3日程度は最も痛みが出やすいです。それ以降は徐々に痛みがやわらいでいきます。
また、ワイヤー調整した場合も、一時的に痛みが生じることも。痛みが強くて食事ができない場合は、スムージーやスープなどを摂取するのも良いでしょう。
合わせて読みたい>>>ワイヤー矯正の痛みはいつまで続く?痛みを緩和するためにできること
歯科矯正に疑問や不安がある方は、以下のサイトも参考にしてください。
参考:公益社団法人 日本臨床矯正歯科学会 よくある質問・矯正歯科何でも相談
まとめ
ワイヤー矯正を始めてから3ヵ月程度で歯並びの変化を実感する方もいれば、半年以上経過してから実感する方もいます。それに伴い、口腔内では以下のような変化を覚えることがあります。
- 痛み
- 違和感
- 不快感
- 唇の突出感
1週間~1ヶ月程度で慣れることがほとんどです。また、矯正治療は時間がかかるもので、急いで治療を進めることはできません。
焦って無理な力を加えると、歯にダメージを与えたり、矯正治療の効果が得られなくなる可能性があります。矯正中に不安や疑問が生じたら担当の歯科医師に相談することも大切です。
ばなな矯正歯科恵比寿は矯正専門の歯科医院です。 ワイヤー矯正をはじめ、取り外し可能なマウスピース矯正も取り扱っています。 患者さまの歯並びやご要望に応じて、一人ひとりに最適な矯正方法を提案しています。 公式ホームページ・メール・電話・LINEからの予約で初回カウンセリングが無料です。 ワイヤー矯正を検討している方は、お気軽にご相談ください。 |